成瀬映画に登場する風景


『めし』(1951年)F NEW 2020.1.15

『めし』前半の大阪パートで、大阪の繁華街=道頓堀界隈が登場するのは以下の3回。

1. 初之輔(上原謙)と里子(島崎雪子)が、観光バスに乗って大阪見物をする。大阪城のシーンの後、夜、道頓堀界隈で食事(うな重)をする。

2.三千代(原節子)が同窓会に出かける。場所は宗右衛門町(そえもんちょう)にあるお茶屋「ゆら乃助(ゆらのすけ)」=友人が嫁いだお茶屋。
 同窓会の後、三千代は独身の友人小芳(花井蘭子)と喫茶店でお茶を飲む。

3. 里子は近くに住む芳太郎(大泉滉)に誘われて「難波〜道頓堀」を歩く。夜、道頓堀界隈で食事する。


上記2。
三千代(原節子)の同窓会は宗右衛門町と台詞にもあるのだが、映画で原節子がこの界隈を歩く実写は無い。御茶屋は東宝撮影所のセットだろう。
同窓会の後、小芳(花井蘭子)と喫茶店に入る前に、有名な「戎橋」の実写のショット(地図矢印のアングル)が短く挿入されて、
原節子と花井蘭子の会話のナレーションが入るがこのショットにも二人の姿は見つからない。
これは推察だが、当時としてもかなりの人込みの道頓堀界隈で、人気女優の原節子が実際に歩くと見物客が相当大変だっただろうことは容易に想像できる。
東京(川崎)に帰省する直前の、大阪の高級住宅街の「帝塚山」の場面では、いとこ・竹中役の二本柳寛と実際にロケーションで歩いている。


  


上記3。
2と異なり、ここでは島崎雪子と大泉滉は実際に「難波〜千日前〜道頓堀」を歩く。
島崎雪子はまだ新人女優なので、見物客の問題はないと判断されたのかもしれない。
下記の画面写真の正面の大きな建物は、「なんば」駅前の当時の島屋ではないかと思われる。

  


以下は、道頓堀〜千日前界隈の画面写真。市電(?)のような電車が走っているのは、千日前通(現在は上に高速道路)あたりか?(上段の2枚目と3枚目)

 


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